どうしたことか
一体全体、どうしたというのだ。 想像するだけで、自らの内に細々と伸びている軸が揺らぐ。 恐ろしいことだ。 怖いことだ。 そのことを厭うわけではない。 厭うべき内容でもない。 だが、自らの内にぴんと真っ直ぐに走っていると信じていたものが、 実はそうではないと知らされるこの屈辱は、他人には分かるまい。 厭うわけではない。 厭うべき内容でもない。 ただそのことを想像して懼れるだけだ。 Copyright (c) 2007 久木楸 All rights reserved.